

文=いわたみどり
写真=杉本保夫/他

◆「トリノエナハ・マジックパワーシート」。体験者の多くが、体に何らかの変化があったと証言している。
その中には、東京科学技術研究所所長で医学博士の川村賢司氏もいた。
数万年以前の古代日本に存在し、高度な科学文明を持ったといわれるアシア族。彼らによって作られ、密かに伝えられてきたというものに「カタカムナ文献」がある。
それは、円と十字を基本にした幾何学的な文字が渦巻き状に並んだ奇妙な書物だ。1949年に物理学者の楢崎犀月(こうげつ)が平十字(ひらとうじ)とい う謎の人物から開示されて以来、研究・解読されてきたが、その謎はいまだ厚いべ−ルに包まれている。
そんな力タカムナ文字を、健康グッズとして現代に甦らせた人物がいる。「株式会社コンセラン」の取締役社長・川口裕清氏だ。
「トリノエナハ・マジックパワーシート」と名づけられたこの商品は、6つの力タカムナ文字が時計回りに配されたもので、ベッドや椅子などに敷くことによっ て、不眠症や冷え性、腰痛、肩こり、花粉症などが緩和されるという。
実はコンセランは、コンプレッション・セラピー(皮膚にまんべんなく圧力を加え、体内の血行をよくし、疲労回復などに効果的とされる加圧療法)の専門器 機の製造・販売で知られるれっきとした健康器具メーカーだ。
もともと父親の会社で医療機器の開発などに携わっていた川口氏が、1972年に当時の厚生省から加圧式医療器具の認可を受けたことをきっかけに独立し、 現在に至っている。
そんな川口氏がなぜ、このような不思議な商品を開発しえたのだろう。
それは、たまたま知人から伝え聞いた力タカムナ文献の話から始まった。好奇心旺盛な川口氏は早速、インターネットや書籍などで資料を集め分析。そこで彼 が出した答えは「これは文字ではない」という楢崎とはまったく異なる見解だったという。
「文字というものは、最初こそ象形文字のようなものから始まりますが、文明が高度になっていくにつれ、簡素化されて時間がかからずに書けるように変化して いくものなんです。これはどの文明も同じで、たとえばミミズがはっているような形になる。
アシア族が本当に高度な文明を持っていたのなら、あなたが好きです″という一言を書くことさえも手間がかかる面倒な文字を残すはずがないんです」
川口氏はさらに、カタカムナ文字は、アシア族がこれだけは後世に残さないといけないと考えた、非常に大切な元素記号のようなものではないか、と考えた。
「でも、単なる記号だけでは忘れ去られてしまう恐れがある。そこで、無理やりにでも文章に変換して、伝えやすくしたのではないでしょうか」
民間に伝承される数え歌や民話なども、その裏にある真実の隠れ蓑にすぎないといわれている。この川口氏の仮説も、ある意味、理屈にかなっているのかもし れない。
一見大胆な仮説と思われた川口氏の考えだが、周囲の人々が、この記号群を見ていると不思議な感じがするとか、気分がよくなるということをいいはじめた。
川口氏は、そうした意見を参考にしつつ、記号の組み合わせや並べ方などを試行錯誤した。と、「トリノエナハ」 の6文字を時計回りに組み合わせると、穏 やかで温かい「気」のようなものを感じるという人が続出したのである。
そして、この6文字を配したシートを試作し、モニタ−知人に試してもらったところ、9割以上の人から「体がポカポカと温かくなった」という回答が返って きたという。
この結果に驚いた川口氏は、同じものを昨年の「健康博覧会」に出品してみた。すると、試作品を試した500人もの人たちが、体に何かしらのよい変化が起 こったと証言したのである。
この「変化」をなんとか客観的に検証したいと考えた川口氏は、PH試験紙を使った実験を思いついた。
シートに座る前と後にPH試験紙を舐めてもらい、その変化を見るというもので、実験に参加した全員が明らかな変化を示した。それは、体内PHが酸性に 偏っている人は酸性が弱まり、アルカリ性に偏っている人は逆に変化したのだ。
つまり、理由は不明だが、このシートに座ることによって体内バランスによい影響が及ぼされたと考えられるというのである。
川口氏のいうとおり、確かにカタカムナはただの文字ではないのかもしれない。
今のところ、「トリノエナハ」には科学的にも医学的にもはっきりした証拠はない。もちろん、開発した川口氏本人も、なぜそんな効果があるのかはわからな いという。
ただ、護符や魔術のタリズマンなども、特定の文字や図形が何らかのパワーを持つという伝統に基づいたものであるという点では、同工異曲のものである。そ れに日本古来のカタカムナ文字が加わり、新たな光が与えられたということかもしれない。

■「トリノエナハ・マジックパワーシート」を開発した川口裕清氏。
30年にわたり、コンプレッション・セラピーの第一人者。
著書に『間違いだらけの健康法』『驚異のふうせんダイエット』(ともに現代書林刊)がある。

「トリノエナノいマジックパワーシート」は、昨年の健康博覧会で大好評を博した。

2000年、川口氏は、コンプレッション・セラピー(空気圧式ヘルストレーナー)を
活用した健康機器の普及活動が認められ、
アメリカの公益法人・世界学術研究アカデミー財団より
「予防医学博士号」「サンテ聖デニス・ギリシア勲章」を授与された。